劇場版ポケットモンスター ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ



観るのが遅ぇよと言う意見はごもっともで自分自身も今更感しかないのですが
あまりに思うところが多かったのでちょっと書いてみようかと。
ちなみに1回しか観てないので穴だらかなのはご容赦を。






〜感想始め〜


観てきました。マナフィ
アドバンスジェネレーションとしては最後なので何がくるのかと思うわけですが
その答えはハルカメインと言う形で返されることになりました。
ハルカはダイパーではメインキャラ落ちするのでここで華をもたせたかったと言うことか。


とりあえずこの件は後に回します。





今回全体を通して目に付くのはとにかくCG。
全体の6,7割はCGがもっていった感じがある。
ポケモン映画と言えばコテコテのCGでありそれに頼っていることは決して悪いことではない。
しかし今回はさすがにやり過ぎたんじゃないでしょうか。
と言うのも今回CG以外の作画が非常に悪い。
せっかくの劇場版にこの作画はないだろう。
このCG頑張ってるでしょ壮大でしょ海とポケモンすごいでしょ。みたいな状態が気に入らない


音楽は内容のせいもあってかあまり耳に残らないものがほとんど。
主題歌にボーカルがつかないのは残念なところではありましたね。
エンディングはまぁ、はじまりのうたよりはマシだった。くらいでしょうか






質の問題はともかくとして本編を観た感想を。
とりあえず簡単に本編を順に追っていきます。




まずはお決まりの冒頭。
過去のシーン出てこないかなと期待してたらマジで出た!!
具体的には、ラルースでバトルするユウキとヒトミ。
レックウザを捕獲し実験しているバショウとブソン。
ルギアと併走するマリナ。
ありがとう。こんないいものが見れるとは思ってなかった。
ポケモンがここまでユーザーフレンドリーだとは思ってなかったです。
クリスタルひいきなのが妙に気になるところがあえてそっとしておきます。





そして本題へ。
序盤、ジャッキーさんかっこいい。これに尽きる
ジュディさんとのやりとりも好きだったけど残念ながらジュディさん出番少ない…




サトシ一行はジャッキーさんの出番が一段落してから。
マリーナー一座&ジャッキー+マナフィのタマゴと遭遇。
ファントムらに追い掛けられてたらハルカの目の前で孵化しちゃったと言う感じ。




中盤、ハルカ×マナフィー。 以上。




後半、ジャッキーVSファントム再び。




終盤、サトハルになっちゃった。
そしてサトシが蒼海の王子に。
こうして危機はさりました。



おしまい
カップリングみたいな表記に深い意味はありませんのでご注意を





全体的に自分が思ったことはこんな感じ。
実を言えば観ている当時終わったことが信じられないでいた。
その原因を結論から言えばポケモンがいない。と言うこと。




マナフィが孵るまではセオリー通りと言ったところで大きな問題はない。
しかしマナフィが孵ってからの展開がヒドすぎる。
まずはひたすらハルカハルカハルカになってしまったこと。
完全に視点はハルカとマナフィに注がれている。これは失敗だと思います
それ自体は悪くないけど他のキャラが死んでしまっているのがマズすぎる。
世界はハルマナを中心に回っていると言わんばかりの描写には暇さえ覚えさせられた。




そしてアクーシャに入ってから。
終盤になりそれまで珍しく身を潜めていたサトシにスポットが。
さすがにサトシに出番を与えないのはマズイと思われるので当然と言えば当然です。
しかし今回このサトシこそが地雷キャラであるとは…




救命ポッドでのサトシとハルカのやり取りとしては異様だなと思いながらも
劇場版でサトシのテンションが変わるのは今に始まったことではないのでここはスルー。
それにしてもどこまでもハナコさん泣かせだなサトシは。




結果としてサトシは見事にアクーシャを救えたわけだがここが1番の問題が発生。


サトシが一切ポケモンを使っていない。


どんなピンチに陥り命が危険に晒されようともヘイガニの1匹も出さないの。
こんなことがあり得るのか。
ピンチをポケモンと共に切り抜けてこそのサトシだったはずなのにどう言う了見だ。
レンジャーへの憧れから手持ちポケモンは使わなかったとでも言うつもりか。



ジャッキーにしてもいくら運動神経がいいとは言えポケモンを使わなすぎです。
あくまでポケモンレンジャーなのだからポケモンを使うべきです。
これではただのレンジャーじゃないですか。
ファントムがポケモンをほとんど使わないことも悪かったと見えます。
実際宝石の取り合いでは一切ポケモンが登場していない。



宝石を戻した後にしてもおサトシは王冠のとからで単体で飛行。
そのままポケモンなしでファントムと対決。
1人で自由に飛び回っているサトシには呆れてものも言えない。
ちなみにファントムもメカにより飛行。
結局ジャッキーがサトシになっただけでポケモンは登場していない。




こうしてあらゆる場面でポケモンを排除してしまっているため
この作品においてポケモンによるアクションが恐ろしいほどの少なさとなっている。
マナフィ自体が戦闘できないのだからサトシらがバトルしなければ当然の結果です。




しかしポケモンバトルなしに子ども達(特に男の子)を惹きつけるのはさすがに厳しい。
そのあたりはさすがに誰もが承知しているところ。
そこで登場するのがカイオーガ
かつてのセレビィジラーチにしても同じことで
スイクングラードンを出すことによってかわいい系のポケモンに欠けているそれを補ってきた。
今回はカイオーガをもってマナフィにないものを補うわけです。
実際ポスターにも大きく描かれておりカイオーガ目当ての人も多かったことでしょう。



しかしそのカイオーガさえもおまけ程度の出番でしかなく一発大技を放ったくらい。
しかもポケモンを相手にしたワケではなく船を破壊するのみ。
これではカイオーガを観にきた人にとっては期待はずれもいいところです。
何より客寄せ目的で駆り出されたカイオーガは哀れでさえあります。





その他のバトルらしきものにしても
最初にジャッキーにキャプチャされたマンタインは逃げる目的でワザを使用したのみで
カイロスパラセクトと直接ぶつかったわけではなかった。
ロケット団との戦闘でもロケット団が一方的に飛ばされただけ。
そう言えば今作ではロケット団が空気扱いなのも大きなマイナスポイント。




結局まともにぶつかりあったのはピカチュウVSスピアーくらいなものだったのではないでしょうか。
(あとはユウキVSヒトミか?
これではもはやポケモンバトルはなかったも同然である。





しかしバトルだけがポケモンの魅力ではない。
ポケモンが活きる姿はまだまだいくらでもあるのだ。



デオキシス以降短編がなくなりその代わりとなったのが長編の中の短編的要素。
言ってしまえば「みんな出てこい!」である。
モンスターボールを全て宙に投げ上げ次々に現れるレギュラー陣のポケモン
そして仲良く遊んだり踊ったり。
このような活き活きとしたポケモンの姿もバトルにはない素晴らしい魅力を持っている。




しかし今作ではそれすらない。
正確に言うと「みんな出てこい!」自体はあったのだがその後の描写が薄すぎる。
ヘイガニくらいしかまともに目立ってなかったのではないだろうか。


マリーナー一座のショーなどである程度ポケモンの活きる姿を見ることはできるものの
所詮はそれだけでありサトシ達に目を向けた時ポケモンはほぼ要らないもの扱いにされている。





こう考えるとポケモン作品としては異常でしかないのだが実際観ているとそうは感じないと思われる。
その理由は海と海のポケモンでしょう。
海を泳ぐ野生ポケモン。これだけはしっかりと見せてくる
確かにあれだけの規模ならば相当なポケモン分をこちらは与えられることになるでしょう。
しかし残念ながら自分にとってはそうでもなかった。
海とポケモンは完全CGであり泳ぎ方が妙に無機質じみているように感じてしまった。
どちらかと言うとカメラアングルに頼っている節もあったのではないか。
あれではポケモン達の魅力が半減です。






つまりは、結論の繰り返しになるがこの作品ではポケモン達が死んでいた。
ポケモンが活きてると思えたのはジャッキーさんの回想シーンくらいだったかと。



サトシですハルカですジャッキーですファントムです。
それで本当にポケットモンスターなんですか?
人間とポケモンの共存を描くことこそが神髄ではなかったんですか?
何故ポケモンが常に人間の後ろ側に回っているんですか?
自分は納得できません。





そのような不満をぶつけた先に見えるものは皮肉にもハルカとマナフィ
この2人が全体に圧縮をかけていると言うならいっそこの2人だけを見ていればいいじゃないか。




しかし1度ダメだと思うと全てがダメに見えてくるのがよくある人間の心理。
どうにもこの2人の関係にも魅力を感じることができませんでした。



そもそもマナフィはすり込みでハルカになついてきただけに
絆ができるまでに何の経緯もありません。
絆を描く上ではあまりに浅すぎる展開です。
これだったら番組本編で描かれた「チルットの空!ハルカの心!!」の方がよほど感動できます。
劇場版としてもジラーチの2番煎じに成り下がるしかないのではないかと。



恐らくは初めて、ポケモン映画で感動しなかったのではないかと思います。
何故こんなことになったしまったのやら…
人間キャラの魅力は確かに重要ですがそれ以前にこれはポケモンであることを忘れないでほしい。



〜感想終わり〜









ここまで書いてきておいて何ですがとんでもない酷評をしてしまってますね。
実は自分でも驚いてたりします。


観ていて全然おもしろくないと思ったわけではありませんし、
まして怒りを覚えたなんてこともありません。
ただ、振り返った時に
「あれ?自分は何を見ていたんだろう?」
と思ってしまったんでしょうね。


実際十分に観ていられる作品ではあるのでそこのところは誤解しないでいただきたく思います。
ポケモンは素晴らしいものなのです